
私は18年間、サービス業の経営に携わってきました。
現在は人材育成や組織づくりの支援を行っていますが、最初から人材定着や人材育成がうまくいっていたわけではありません。
社員は1〜2年、アルバイトは半年ほどで辞めていく。
当時の私は「人が辞めるのは当たり前」と考えていました。
しかし、その考えを大きく変える出来事がありました。
「社長に100も200も言いたいことがある」
創業から6年ほど経った頃、一人の従業員が私にこう言いました。
「社長に100も200も言いたいことがある」
その瞬間、いつもとは違う空気を感じました。
当時、社員とアルバイトを合わせて20名ほど。
実は、それまで全員を集めたミーティングをほとんど行ったことがありませんでした。
私は急遽、全員参加のミーティングを開くことにしました。
ところが、最初に発言した従業員は何も話そうとしません。
理由を聞くと、
「評価が下がるかもしれない」 「今後やりづらくなるかもしれない」
という不安があったのです。
本当の問題は不満ではなく信頼不足だった
私は、
「言ってくれたことは改善する努力をする」 「だから本音を聞かせてほしい」
と伝えました。
すると少しずつ意見が出始めました。
職場環境のこと。 コミュニケーションのこと。 働き方のこと。
なるほどと思う内容もたくさんありました。
そして私は気づいたのです。
従業員が不満を抱えていたのではなく、会社に対する信頼が不足していたことに。
信頼関係がなければ、どんな制度も、どんな指示も機能しません。
人は本音を話せる環境があって初めて主体的に動き始めます。
この出来事が、私の組織づくりの原点となりました。
最初に始めたこと
まず取り組んだのは、給与明細への手書きコメントでした。
きっかけは、定着率の高い企業の特集番組を見たことです。
その会社では、200名以上の社員全員に社長が給与明細へコメントを書いていました。
私はすぐに実践しました。
そして気づけば12年半以上続けていました。
最初は小さな取り組みでしたが、続けることで社員との距離が縮まり、本音で話してくれる機会が増えていきました。
組織は一度に変わりません。
小さな信頼の積み重ねが大切なのです。
定着率が上がると会社は大きく変わる
従業員が定着すると、多くの経営メリットが生まれます。
- 求人広告費の削減
- 採用コストの削減
- 新人教育コストの削減
- 業務品質の向上
- 生産性の向上
- 利益率の向上
実際に私の会社では、最大で5年間ほとんど求人広告を出さなかった時期があります。
なぜ採用できたのか。
答えは社員紹介です。
既存スタッフが知人や友人を紹介してくれるようになったのです。
求人広告費は利益から支払われます。
定着率が上がれば、その分だけ利益が残ります。
私は経営を通じて、
「生産性向上と定着率向上は利益向上に直結する」
ことを実感しました。
定着する会社と定着しない会社の違い
定着率を高めるための特別な魔法はありません。
最も大切なのは、
従業員と本音で対話できる関係を築くこと
です。
ただし、本音は簡単には出てきません。
安心して話せる環境づくり。 信頼関係づくり。 継続的なコミュニケーション。
順序を間違えるとうまくいきません。
だからこそ第三者が介入し、従業員の声を引き出すことが有効なのです。
人材定着は経営戦略である
これからの時代は採用難がさらに進みます。
新しい人を採用するコストは年々上昇しています。
特に中小企業にとって、人材定着は単なる人事課題ではありません。
経営課題そのものです。
従業員数が少ない会社ほど、一人ひとりの存在が会社の未来を左右します。
だからこそ、
- 採用より定着
- 管理より信頼
- 指示より対話
が重要になります。
私たちが支援していること
私は18年間の経営経験の中で、多くの失敗と改善を繰り返してきました。
その結果、地域No.1店舗を11年連続で達成することができました。
その成果を支えてくれたのは、間違いなく従業員の皆さんです。
売上をつくるのも人。
利益を生み出すのも人。
会社を成長させるのも人です。
私たちは、
- 人材定着
- 人材育成
- 社内風土改善
- 組織づくり
- 次世代リーダー育成
を通じて、社員が長く活躍できる組織づくりを支援しています。
最後に
会社は利益を生み出すためだけの場所ではありません。
働く人が安心して力を発揮し、成長し、充実した人生を送るための場所でもあります。
社員が明るく働き、会社に誇りを持ち、お客様から応援される組織をつくる。
その第一歩は、従業員の声に耳を傾けることです。
従業員が定着しない理由は、能力や根性の問題ではありません。
多くの場合、その原因は組織の環境やコミュニケーションにあります。
私たちは経営者と従業員をつなぎ、人が定着し、成長し、利益を生み出す組織づくりを支援しています。